ミノルタX-70
80年代初頭、ミノルタX-7、X-700ときたミノルタのXシリーズですが、その最後に登場したのが、82年のX-70でした。
絞り優先AE+マニュアルで、スペック的にも、デザイン的にも、X-700のスペックダウン機の様に見えますが、実際には、X-7と同様、旧XG系の発展型であり、X-700とは別系統のモデルです。
XG系との大きな違いは、マニュアル時にも露出の表示が行われる様になったことで、これはX-700をマニュアルで使うのと同等でした。
XG系では、マニュアル時に全くファインダー表示が無く、完全なマニュアル機だったのです!
その他には、X-700と共通のモータードライブが使用可能になったことでしょう。
このカメラ、言ってみればオリンパスOM10に対するOM20の様なものだったと言えるのかも知れません。
X-7からの買い替えは期待できず、かといって、入門機としては高過ぎる・・・そして翌年、今度はX-700をベースにプログラムAEを取り除いたX-500が発売されたことも、影響があったことでしょう。
このX-500の場合、X-700と同様にフラッシュのTTLダイレクト調光が可能であったり、X-700専用であったマルチファンクションバック等も使用可能であり、更にはX-700には無かったスローシンクロが可能であったり、ファインダー表示も、マニュアルでより使い易く改良されていました。
反面、何故か露出補正ダイヤルが省略されていたりしましたが・・・。
何れにしても、コレによってX-70の存在は完全に否定されたも同然でした。
元々地味なカメラでしたが、ミノルタの常で、巻き上げのフィーリングは素晴らしく、ファインダーも実によく出来ており、そんな実々剛健さからか、海外では比較的人気があった様で、今でも海外の蚤の市なんかでXG-Mという名称のソレを結構見かけます。
オマケに、プラスチック然としたX-700よりも、遥かに質感が良かったことは忘れてはいけません。そんな訳で、へそ曲りな私は、結構好きなカメラだったりします。