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シンクロメモリー 70年代の少年自転車

ドリフのいかりや長介から順に「シンクロメモリー」「シンクロメモリー」「シンクロメモリー」「シンクロメモリー」、そして最後に志村けんが「シンロクモメリー」と言って、皆ズッこけるCMを覚えている方は多いことと思います。

このシンクロメモリーとは、一体何なのでしょう?

それまでの自転車の変速機というのは、無段階に動くレバーを動かし、ギヤの位置を探りながら変速作業を行う必要があり、希望のギヤに入れるのにも、それなりの慣れが必要なものでした。

それ故に、モノグサな私なんか、余り中間ギアを使った記憶すら無い位でした。

このシンクロメモリーでは、レバーの位置とギアの位置が一定にセットされており、カチッ、カチッ…というクリックストップに合わせてレバーを動かしてやる事で、誰でも確実に変速が出来る…というスグレモノだったのです。

その上、従来は停止時にシフトレバーを動かしても、ギアシフトは上手く出来なかった物が、シンクロメモリーでは、動き出した時、停止時に設定したギアにシフトされる様になっていました。

要するに現在のSISの原型なのですが、コレによってスポーツ車のシフトの操作性が格段に向上しました。

時代的には、フラッシャーブームが一段落し、リトラクタブルライトが登場する、丁度間というタイミングでした。

更に後に、リアスプロケットを固定とし、代わりにフロントスプロケットにワンウェイクラッチを設ける、所謂FFに発展し、ペダルを停止した状態でも、車体が前に転がってさえいれば、シフトが出来る様になりました。

コレによって、停止時、シフトレバーをローに入れ、少し車体を前に転がしてやれば、簡単にローギアに入ることで、ロー発進時の切り替えが容易になりましたし、下り坂でペダルを漕いでいない時もシフト可能になりました。

どうも70年代の少年自転車というと、フラッシャーやリトラクタブルライトの様な、無駄なガラパゴス仕様のイメージが強いのですが、こういう現在まで繋がっている技術が登場した事も忘れてはいけません。

因みに当時の私はコレ、「新黒目盛り」だと思っていました。