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E-M5mk3+EZ14-42mm

先日、オリンパスの映像部門売却が発表されましたが、一体マイクロフォーサーズは何が拙かったのでしょうか?

<目次>
マイクロフォーサーズの長所
マイクロフォーサーズの短所
オリンパス・マイクロフォーサーズの始まり
OM-D E-M5、マイクロフォーサーズが主流に…
レンズラインナップの失敗
プロに認められない理由
最後に
オマケ

マイクロフォーサーズの長所

マイクロフォーサーズは、センサーサイズが小さいことから、
1.レンズやボディをコンパクトに出来て、携帯に便利
2. 高性能なレンズを作り易いこと、
3.センサーが小さくても十分な高画質化が可能
4.レンズの美味しい所だけ使うから、周辺まで画質が良い
5.小型センサー故にボディ側手ブレ補正で有利
6.センサーにゴミが付きにくい

長所はその小型センサーによるものなのです。

マイクロフォーサーズの短所

1.ダイナミックレンジが狭く、白飛び、黒潰れが目立つ
2.高感度でのノイズが酷い
3.小型センサーにより、画素数の増加が望めない
4.背景のボケが期待できない

反面短所も、全て小型センサー故のことで、この辺りがフルサイズに比べて画質がイマイチと言われる所以なのです。

オリンパス・マイクロフォーサーズの始まり

2008年にパナソニックG1によって始まったマイクロフォーサーズですが、オリンパスは翌年E-P1によってスタートし、より手軽なPL1、そしてコンパクトさを最優先したPM1と順次ラインナップを追加して行きました。皆ファインダー無しの箱型タイプで、そのコンパクトでスタイリッシュなスタイルが評判を呼びました。

この当時はレンズも手軽なものが中心となっていたことから、本格的な撮影を求める人たちからは、まだ旧フォーサーズが支持されていました。

OM-D E-M5、マイクロフォーサーズが主流に…

そんな中で2012年に登場したのがOM-D E-M5でした。コチラは電子ビューファインダーを内蔵し、一眼レフスタイルと防塵防滴を施した本格派で、以降ミラーレスにもファインダーが内蔵される様になって行きました。

翌年にはE-M1がフラッグシップとして登場し、旧フォーサーズレンズ使用時のAFの問題が解決されると、正式に旧フォーサーズからの撤退が発表され、更にE-M10がエントリーモデルとして登場し、このOM-Dシリーズがマイクフォローサーズの中心として位置する様になって行きました。

同時に、当初の身軽でコンパクトな魅力は失われていくことになります。

レンズラインナップの失敗

旧フォーサーズが終了し、マイクロフォーサーズ一本ということになると、今までの様に手頃なレンズばかりでなく、より高性能なレンズが望まれる様になるのですが…ココでまた一つミスを犯したと思っています。

最初に登場したコンパクトなレンズは、どれも性能的にもf値的にもイマイチでした

そして、ソレ以上を求める人達に、より高性能なレンズが開発された訳ですが…。

その時点でプロレンズを中心とした品揃えに偏り過ぎ、結果として本来コンパクトさを売りにしていたシステムが、APS-Cよりも大きくて重い、しかも高い…という逆転現象が起きてしまったことです。

例えば単焦点でも、F1.2シリーズなんていう非現実的な大口径をやるよりは、精々F1.4辺りに収めるべきでしたし、F1.8シリーズを完結される方が現実的でした。

標準ズームにしても、評判イマイチの歴代14−42mmのキットズームか、アンバランスに巨大でしかも高価な12-40mmf2.8の両極端しか有りませんでした。

キットレンズの画質、暗さに不満のある人は、重くて巨大な12-40mmか、パナソニック12-35mmf2.8か、後に発売されたパナソニック・ライカ12-60mmf2.8−4というレンズを使う以外になく、その時点で気軽に毎日持ち歩ける存在ではなくなっていたのです。

最近12−45mmF4なんていう軽量で高性能なレンズが出ましたが、この程度のスペックなら、10年前に登場すべきレンズでした。

そもそもの間違いが、本来どう頑張ってもフルサイズに画質の面で勝てないにも関わらず、それに正面から勝負を挑んでしまったことです。

マイクロフォーサーズは望遠に有利だと言われます。

確かに150mmで、フルサイズの300mmと同じ画角なんですから、そのコンパクトさは際立っています。

しかし、こういう望遠レンズを使いたい所って、結構光量が十分じゃないケースが多いのですが、そういう時にISO感度を上げると、いとも簡単に画質が低下する…この辺りもフルサイズには敵いませんでした。

プロに認められない理由!

こんな事を言うと、「マイクロフォーサーズを使っているプロは沢山いる!」と反論が来ますが、逆にマイクロフォーサーズしか使っていない人は多くはないんじゃないでしょうか?

何故他との共用になるのでしょうか?

例えばシステムがコンパクトで、メーカーの宣伝する様に強靭なボディーを持っているのなら、何故報道関係の標準にならないのでしょうか?

画質が最優先項目でない報道は、最初に画質で劣るデジタルカメラを使い始めた分野ですし、キヤノンやニコンを使うよりも遥かに機材はコンパクトに、しかも安価に出来、雨や雪もモノともしない耐候性があり、強力無比な手ブレ補正…となれば、これ程報道に適したシステムは無い筈です。

そうならなかった理由は単純に「歩留まりが悪から」なのです。
プロの写真家が求めるのは結果です。その結果を安定して出してくれるカメラとしてキヤノンやニコンが選ばれるのであって、オリンパスは特にオートフォーカスの面で完全に周回遅れだからなのです。

80〜90年代に「プロが使えるAF」の開発にしのぎを削ったキヤノンとニコンに対して、OM707という史上稀なる駄作を投入した後に放り出したオリンパスとでは、ノウハウの差は如何ともし難いモノがあるのです。

私も実際に使用していて、最高のタイミング程ピントを外す…コレは見事な位に徹底しています!
そして悪条件に限って画質が低下する…結局はその辺がプロの仕事のカメラにするには、信頼性が低すぎるのです。

E-M1Xなんていう、キヤノンやニコンのフラッグシップ機並のサイズのプロ仕様機???を出しましたが、アレを最初に見た時、一眼レフを完全に打ち負かすミラーレス最高のパフォーマンスを期待したモノでした。実際は…恐らく開発途中で予算カットでも起きたのでしょう。その出来は、あくまでも「オリンパスの中で最高」というレベルでした。

コレじゃお抱えプロはともかく、ソレ以外は全く…。

最後に

最近発売された現在のマイクロフォーサーズのラインナップを確認してみましょう!

E-M1X:開発を途中で投げ出した様な低性能自称プロ機材
E-M1マーク3:3年も経っているのにマイナーチェンジ
E−M5マーク3:3年前のE-M1マーク2の劣化版
PL10:マイナーチェンジとも呼べない殆ど変化無しで、変わったのは値段だけ!

要するに2016年に発売されたE-M1マーク2を最後に、殆ど進化という進化をしていないのがお分かり頂けるでしょう。こんなショボい内容で、この数年間本当に戦う気で居たのでしょうか?

「前機種より良くなった…」なんてファンが必死で擁護していますが、他社だってドンドン良くなっているんです!

こんな魅力の無い製品のオンパレードで、しかも「会社の行き先不透明」を発表してしまった今日、更に売上が落ちることは目に見えています。

去年から映像部門の売却に関して口を滑らせたり否定したりを繰り返した社長も、つくづく無能ですね!

それまで医療機器部門に負んぶに抱っこであった映像部門が、経営が変わったからと言って利益を出せるとはとても思えません。

ニューモデルは、恐らく同じくマイナーチェンジのE-M10マーク4が出るでしょうが、完全撤退まで最長で3年といったところでしょう…残念ながら…。

1977年、アメリカのホワイトモーターカンパニーというトラック会社が経営破綻し、再建を試みたものの、破綻した会社のトラックを買う者など居らず、その再建は失敗に終わりました。

今オリンパスが置かれている状況は、正にコレと同じなのじゃないでしょうか?


オマケ!

「一眼レフを止めると、医療機器の技術停滞が起こるからOMシリーズは止めない」と言いながら長年放置の末に放り出しました。

OM707で大失敗した後、普通なら次期モデルを出して頑張るところを、事もあろうにOM101というAFレンズを使ったMF機を発売した後に放置、撤退しました。

旧フォーサーズの撤退は有り得ないと言いながら、アッサリと撤退しました。

「映像事業の売却は有り得ない」という発表の数カ月後、この発表です。

「新会社に移管するだけで、マイクロフォーサーズは継続する」

過去の実績からして、貴方はこの発表を信用しますか?私には無理ですね…。

ソレ以前にも、中途半端にウヤムヤにしたPenFシリーズもありますし、僅か1年で全て終わったFTLなんて例も有りますし…。

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